美しい彼/凪良ゆう・葛西リカコ

【あらすじ】
「キモがられても、ウザがられても、死ぬほど君が好きだ」無口で友達もいない、クラス最底辺の高校生・平良（ひら）。そんな彼が一目で恋に堕ちたのは、人気者の清居（きよい）だ。誰ともつるまず平等に冷酷で、クラスの頂点に君臨する王（キング）――。自分の気配に気づいてくれればいいと、昼食の調達に使いっ走りと清居に忠誠を尽くす平良だけど！？　絶対君主への信仰が、欲望に堕ちる時――スクールカーストLOVE！！
https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/85836/

出版社：徳間書店Chara
掲載誌・レーベル：キャラ文庫
電子版発売日：2015年11月27日
紙の本の発売：2014年12月19日
購入：ひかりTVブック

しんどい予感で手が出せずにいた凪良先生、FFさんからの『変態攻めだよ！』の言葉でこの作品を購入。
受けへの愛が突き抜けてる攻めのお陰で本当に楽しく読むことができました♡

「吃音」という病気のせいで上手く人と関わることができず、
気持ち悪がられイライラされ、透明人間にようにひとりぼっちで学生生活を過ごしてきた平良くんが出会った“美しい彼”。

『清居くんは俺にとっての一番だ。誰とも比べられない。特別だ』
一目で目を奪われた、人生を変える出会い。
パシられて近付けて救われてキスをして。
決別して再会して、また近付けて…もう離れられなくて。
一心不乱に清居くんへ向けられた崇拝愛が、たくさん遠回りをして情愛になっていくその過程が、切ないやら痛々しいやらおかしいやら。
ひたすらに一途で揺るぎない愛が溢れていました。

そして平良くん視点と清居くん視点の両方で進んでいくお話のお陰で、読み進める程に増していく清居くんの可愛さ。
不本意ながらも平良くんにべた惚れなことを認め、過去の自分の行いにちょっと反省しつつ「ネガティブ俺さま」に振り回される清居くんが本当に気の毒可愛いです。

汚い用水路を流れるアヒル隊長に心を寄せていた平良くんが、清居くんの美しさを崇拝し蔑みの言葉にすら喜びを感じる立派な変態に。
一歩間違えれば…というか清居くんが相手じゃなければ相手に恐怖を与える程のご奉仕精神がほんとすごかったｗ
あまり口の悪い子は好きじゃないけど、清居くんの平良くんへの率直な言葉には完全同意しちゃうｗｗ
自問自答しながらも平良くんへの想いが駄々洩れな清居くんの、ちょいギレでのヤキモチがたまらない♡♡

スクールカーストと呼ばれる、狭い世界での面倒くさい人間関係と醜さや
清居くんが「求められること」を羨望するようになった、寂しい家庭事情。
例え直接的でなくても確実に心を苦しめる、他人の言動。

本当に何気ない日常の中にある心の機微と決して他人事ではない生々しい人間模様が、繊細に丁寧に書かれていてすごく引き込まれました。
気持ち悪さと一途健気の紙一重ラインにいる平良くんの絶妙さもほんとすごい。

こんなに素敵な作品をもっと早くに読まずにいたことを後悔したけど、
オススメしてくれたFFさんには心から感謝♡
次のお得なタイミングでシリーズ全部買わないと！
キャラフェアで紙書籍も集めようかな。

凪良先生の他作品も読んでみたい♩*。

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