あらすじ
「陸……! 私は、そなたがいなくなったら生きていけぬ! そなたしか、いらぬのだ!」爬虫類顔のブサイクで、ずっと自分に自信がなかった陸は陸の身も心もすべてが可愛いと言う竜王リューイに愛されて、前向きに生きる勇気をもらい、彼への恋心を自覚する。また、竜王様のお膝元の国リュティビーアで、陸の容姿を気にせず接してくれる人達と生まれて初めて友情を育んで…。人間の寿命や竜王種の性質から、いつか別れの日が来る二人。それでも、リューイへの想いは止められない。一方、陸と出会うまでは孤独の宿命に絶望しつつ諦めていたリューイだったが、陸を絶対に失いたくないという激情を抱く。そんな時、二人とは別の世界で恐ろしい力を手に入れた陸の弟・海斗が、陸を無理やり奪い去り…! 二人は種族の壁を越え、恋を成就させることが出来るのか!?
https://www.cmoa.jp/title/1101212701/vol/2/
出版社:リブレ
電子版発売日:2018年07月05日
紙の本の発売:2018年04月19日
購入:ひかりTVブック
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感想
今作では、陸くんが竜王様と出会えたキッカケでもある最初の「召喚」で、一緒に異世界に飛ばされた弟の海斗くんの歪んだ愛情が明らかに。
「勇者」として召喚されていたから、きっと大切に扱われていたんだと思っていた海斗くんの思いがけない待遇。人族を救うために呼ばれたはずなのに…その人族に、陸くんを盾に取られて残酷な試練を強いられ、騙されて、利用されて。
全部全部、陸くんのために。
ただ、海斗くんが語る陸くんとの未来図は、一見は純粋に「悲しい境遇の兄を想う弟」なのに、、その中には陸くんの自由や意志なんてなくて。自分本位で身勝手な歪んだ独占欲と、情欲だけ。
幼い頃から周りの人間に蔑まれていた兄に対し芽生えた想いが、何でそこまで歪んでしまったんだろう。
『俺が、あんたを幸せにしたかったのに!』
海斗くんの最後の叫びが、きっと想いの全てだったんだろうけど。
『もう、ひとりぼっちで寂しい思いなんてさせない』
その言葉も、幼い頃、誕生日にひとりで美味しくないホットケーキを作って食べていた兄のためにケーキ作りを練習したっていう優しさも、、嘘じゃない、海斗くんの愛情だったのに。
歪んでしまった、歪ませてしまった境遇が本当に辛い。
竜王様視点・エルミアくん視点・更には眷属であるカエルのセキさん視点まであって、どれだけ陸くんがみんなに愛されているか、大切にされているかが前作以上に書かれていました。
陸くんが眠っていた4年間でリュティビーアの状況は少し変わったけど、リュティビーア国民の『お気に入り』である陸くんへの信仰はより強く、親しかった人たちの『陸くん自身』へのそれぞれの想いはそのままに。
自分に何かあったとき、心から心配してくれる人たち。
気味が悪いと言われ続け、ずっと隠していた笑顔を自然と見せられる場所。
『おかえり』と『ただいま』を言える場所。
日本にいるときにはなかった、温かい「居場所」がある。
そして何よりも、自分だけを愛し大切にしてくれる、生涯傍にいると誓った愛する『伴侶』の存在。
ふたりで生きる、残りの人生。
カエルたちと、リュティビーアの人たちと。今までの分も、どうか幸せに。
…これで完結なんですかね??もっと見たいよ~ふたりの今後…できるなら、共に人生を終えるときまで…!
他の小説と比べて200ページくらい多いけど…後日談とか、陸くん以外の視点とか、てんこ盛りなんだけど…もっともっと読んでいたい。
ミニドラゴンのソラが可愛すぎたし、エルミアくんの失恋後ケアがどうなったのかも気になるし…
グスタディオさんの感情の起伏の激しさ、大好きだったなー♡
あと、海斗くんのその後も。
あの子が陸くんにしたことは許されないことだけど…憎みきれない。
いつか、どこかで救いが見られるといいな。
最後まで読んで頂きありがとうございました!(ㅅ´³`)❥❥
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