あらすじ
NYに住む伯父・トレヴァーの書斎で一冊の手記を見つけたジーン。そこには、自分ではない「ジーン」について綴られていた。……1973年。弁護士のトレヴァーは重要な書類を紛失する。雪が降りしきる中、それを届けてくれたのは清掃員していたジーンだった。ボイラー室で暮らしているという、見るからにみすぼらしい彼を放っておけず、トレヴァーはお礼も兼ねてハウスキーパーをしないかと持ちかける。まるで中世からやってきたような世慣れなさに反し、教養を感じさせる美しい元アーミッシュの青年ジーンとの同居生活は、ゲイであるトレヴァーに羨望と穏やかな幸せをもたらすが……。大ヒット作『ラムスプリンガの情景』へとつながる、もう一つの愛の物語。
https://www.cmoa.jp/title/204331/
出版社:心交社
掲載誌・レーベル:ショコラコミックス
電子版発売日:2020年07月10日
紙の本の発売:2020年06月26日
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感想
ラムスプリンガの情景スピンオフ。
「外の世界」を選択したダニーのお兄ちゃん、ジーンのお話です。
住む場所も働く場所もないジーンを拾ってくれた、ポーカーフェイスの敏腕弁護士・トレヴァーが心に抱えていた葛藤と孤独。“怒り方”を知らないジーンが覚えた憤りの向かう先…偏見や差別が強くある中で偽り続けた自分の性的指向。
トレヴァーが家族に対しての疎外感に気付いてしまったその記憶の続きが温かくて、
カレンの言葉に溢れる親愛の気持ちが本当に優しくて、
笑顔がほとんどなかったふたりの自然な笑顔が本当に幸せそうで、、涙が止まりませんでした。
ジーンへの秘めたる想い、抑えていた想いが溢れ出た睦み合いが激しいわけじゃないけど情熱的で、覚悟を決めながらも真っ赤になって恥ずかしがるジーンが本当に可愛かった…!
ラムスプリンガの情景と繋がる、オズの「あの時」も。
一コマ一コマ全部に意味があってお話の重厚感がとにかくすごかった!
故郷を捨てたつもりでも故郷を恋しく思い、心のどこかで故郷に囚われていた自分を意図的に捨てたジーン。
本当に純真無垢だったテオとはまた違う、知識を求めていたジーンがトレヴァーと出会うまでどんな気持ちでどんな苦労をしてきたんだろう。
甥っ子くんの名前の由来はやっぱり?
綴られていた幸せな思い出。
だけど、今は?
まだ明かされていない部分のことを考えると2巻を読むのが楽しみで、ちょっと怖いです。
正直前作はそこまでハマらなかったんですが(小声)、今作を読んで改めて読み返したら前に読んだときよりも何かこうスッと心に。
ジーンも可愛いけどトレヴァーも可愛い!
ジーンを喜ばせたいトレヴァーの行動がほんと可愛くて大好き。
優しさがたくさんあるのに、どこか切なさが寄り添っている不思議な空気感でした。
tnk修正:シャシャシャ(紙)
最後まで読んで頂きありがとうございました!(ㅅ´³`)❥❥
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